レポート

さわって育む!プロジェクト byアルテコローレ

2023年、私たちは新たな取り組みを始めました。私たちの日々の業務でやむを得ず生まれる、商品としては販売出来ない“未利用生地”。この“未利用生地”はこれまでも専門学校や大学に寄付したり、資源として燃料にしたりと再利用を進めてきました。
今回私たちは新たに合同会社アルテコローレ様へ“未利用生地”を提供することで、未就学児を対象とした生地(布)を使ったあそび『さわって育む=触育プロジェクト』に協力いたします。



布であそぶ

ご存じの通り、生地(布)とは、洋服やカーテン、バッグなどの“材料”です。私たちのこどもの頃は、お母さんがハギレを買ってきて、通園バッグや巾着袋を作ってくれた、などの経験がある人も多いのではないでしょうか?日本で洋服が一般的になる以前は、反物を選んで着物を仕立てる、という文化があり今も残っていますよね。服=洋服=既製服の現代では、『生地を選ぶ』きっかけがないまま大人になる人が増えている気がしています。

服などの製品になるまえの生地(布)の状態をよくよく観察すると、つるつる、ふわふわ、ざらざら、パリパリなどさまざまな違いがあることに気が付きます。
(私たち生地屋がこだわっているところ)

ナニモノにもなる前の 生地(布)に触れ、戯れ、あそび、豊かな感性を育んでほしい。

そしてさまざまな感覚を通じて、モノづくりや繊維、ファッション、産地に興味をもってほしい!という想いをアルテコローレさんに伝えたところ、快くこの取り組みの実施を引き受けてくださいました。


今回提供した生地の大きさは、企業向けの展示会のためにカットした1m四方程度のサンプルや、試作段階の2~3mの生地、確認用の見本生地30cmなど。色や柄、材質も様々です。さっそくお布団のように広げ、生地の海へ全身で!


テントのように張って、秘密の部屋を作ったり。カーテンのように縛って空間を飾ったり。

お洗濯をしたり。イエロー、オレンジ色などの明るい色が太陽を連想したそう。


大きい布だからこそ、友達と一緒に協力して。


小さな色とりどりのハギレを丸めて、試行錯誤。思い思いに。


普段の生活に結び付いた生地(布)だからこそ生まれる、想像の世界。生地(布)と触れ合うこどもたちの豊かな表情は、私たちが望んだ以上のものでした。新聞紙や、粘土や、ビニールひもや、どんぐりのように生地ももっと気軽に、自由に、触り、遊び、身近に感じてほしい。
私たち大人の『布は縫うもの、何かを作るもの』という固定概念を捨てれば、こどもたち自身が
選び取り、友達に影響を与え、コミュニケーションに繋がっていく。これをきっかけにアルテコローレさんでは、保育園などへの布をつかったあそびの提供も企画されています。ご期待ください。

運営・写真|合同会社アルテコローレ
生地提供|瀧定名古屋株式会社



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